ひょうごのはなし

大阪生まれ大阪育ちの私が、仕事を通じてすっかりはまったひょうご五国の魅力を食を中心に伝えていくブログです。

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【とまこ】優しい顔して誘っておきながら、いざ!というときに本性を現す悪女のような「とまとラーメン」のはなし【飲食店紹介《三宮》】

 

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 【広がり続ける食材、料理の可能性】

 「自分が子どもの頃にはなかったよね」と食べ物が世の中に多くなってきているのは、自身が年齢を重ねたからで、いつの時代にも中年の人間はそう感じるものなのか、ITの普及、移動手段の発達で世界が小さくなってきているからなのか、ということをたまに考えます。

 

 まぐろアボガド、なんて大好物ですが、アボガドっていつから登場したんや。

 日本に根付かせてくれた方、アイラブユー。

 

 素材だけじゃなくて料理もそう思うものが多い。

 バーニャカウダ、とか。

 学生時代にこの「バーニャカウダ」なんて武器があったら「合コンの時はとりあえずバーニャカウダ頼んでたらOK」っていう変な意識を持つ男になってたんじゃないだろうか、と思うくらい、「女性はバーニャカウダが好き」(アヒージョも)と思ってたりする駄目な人間です。

 僕は中学時代に友人の家でプレイしまくった「ときめきメモリアル」が恋愛バイブルだと思い込んでいたくらい、何かに洗脳される要素がいっぱいあるので、自分が若い時にバーニャカウダなくてほんとによかったな、などとほっと胸をなでおろしております。

 

 【とまとラーメン】

 

 とまとラーメンもそんなひとつ。

 出会いは10数年前。私はまだ大学生だったころ。

 

 

 当時の友人たちと男2人、女1人で大阪の福島という町で飲んでいた。

 天王寺で集まることが主なチームの仲間だったので、なぜ福島で飲んでいたのかさっぱり思い出せない・・・と書きつつ、そいや福島に友達おったな、と今思い出した。

 たぶん梅田あたりで飲んで、酔いつぶれたそいつを家まで送ってから飲みなおし、といったところだったんじゃないだろうか。

  〆に立ち寄ったのは「とまとラーメン」の店だった。

 女友達がキャピキャピした感じで、そこを選び、〆にリゾットをして目をキラキラさせていたのをぼんやり覚えている。

 女友達は、背が高く、キビキビ!っとした「仕事できるっす!」といったタイプの子で、「小柄:小動物っぽい雰囲気を好む」私は全く異性としての魅力を感じることがなかったので、そんな「リゾットにもできるなんて素敵やんか」と満足気なその子にも全然ときめかなかった。

 今思い出をたどると、モテる子だった印象がある。背が高くてハッキリ物を言える子で頭のキレも早かった。きっとああいう子がタイプな子はいっぱいいるんだろうな。

 などと10数年の月日を経て、視野が広くなって、今更あの子の魅力を再確認できたので今度東京にいるその子が関西に帰ってきたときに謝ろう。

 

 

 話を戻してとまとラーメンはというと。私は、「邪道じゃ!ラーメンのスープに魂を注いでいる職人さんをバカにするな!」と思いつつ「あれ、意外と食べれるね」と想定していたよりも評価は高かった気がする。

 但し「トマトパスタでよくね?」なんて思ったりしてスッキリしないままだった気がする。

 恐らくあの子が目をキラキラさせながら追加したリゾットをしていなかったせいなんだろう(だって〆だったんだもん・・・)

 私はとまとラーメンの底力を存分に味わえないまま、その場を後にしてしまった、「コンサートで”電車が混むから”とアンコールがあるのを理解しているうえで、会場を出た」、残念な男なのである。

 

 びっくり。その時いった店のラーメン、インスタントで発売されてた。

 

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  【三ノ宮でとまとラーメンに再会】

 

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  そんなとまとラーメンに三宮、というか私がいつもうろついているセンタープラザ地下で数年前再会した。

 

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 その名前や潔し。

 「とまこ」である。絶対とまとを使った料理を出しているお店の名前だ。

 以前は「しゃの」というラーメン店があったセンタープラザでも西のはしっこに位置する場所にある。

 数年前にOPENしたときから知っていたが、とまとラーメンの魅力を味わい尽くしていなかった私は、そのポテンシャルを知らないままだったのでスルーしていた。

 

 なにかの機会でお店で仕事のお話をする機会があった。

 その際に大阪にいたときのクライアントが運営しているお店だと知った。

 

 その名も「らーめん亀王」。

 そう、亀王を運営している会社さんの別業態だったのだ。

 

 【酔っぱらったときの亀王のラーメンの思い出】

 若い頃は「亀の王様!!」というだけでゲラゲラ笑いあえるくらいカスだった私。

 ただ、亀王のラーメン自体は、特に「可もなく不可もなく」という評価で、好んで足を運ぶ店舗ではなかった。

 

 学生時代はよく十三のライブハウスに足を運んでおり、ライブハウスや近隣の汚くてでも料理も人も最高だった居酒屋でお酒を飲んでいた。

 ある日、気付いた。

 お酒に酔っぱらってから食べる十三の駅前の商店街にある亀王のラーメンは私にとても優しい、と。

 酔っぱらうと潰れるまで飲みたいタチだった私はよく終電で寝過ごして見知らぬ街で朝迎えたりしていたのですが、亀王のラーメンは「ちゃんとおうちまでしっかり帰るんだよ」と優しく背中を押してくれるようなそんなラーメンだった。

 

 自身の思い出もあり、神戸にくるまでは担当していた会社さんの店舗となると、親しみは大きかった。

 けど、「とまとラーメン」は女子が〆にリゾットをして「ええやん」とキラキラするものだという偏見で失礼ながら食べるには至らなかった。

 

  【数年越しにのれんをくぐる】

 

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 そんな私にもとまこののれんをくぐるときがきた。

 「ラーメン食べたい食べたいDAY」で我流本舗へむかったその日、なんと店は臨時休業だった。

 地上にあがるなり少し移動すればラーメン店はあるのだが「食べたい食べたい病」でなんとかここまでたどり着いた私にはもうこれ以上移動する体力は残されていない!!と最寄りのこちらに伺った。

 

  

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  店内はテーブルが並んでいて、綺麗なつくり。

 一人で訪問のお客さんはみんな小さいテーブルに案内されているのに、なぜか私は4人テーブルに通された。

 デブへの配慮か。ありがとう、店員さん。

 

 

 

 

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  ベースになるラーメンを選んで、後からリゾットにするごはんのタイプを選べる、ということらしい。

 初めての訪問はオーソドックス、を心がけているので「とまとラーメン+チーズかえめし」にしてみる。

 

 【ラーメンがきた】

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  トマトに匂いを漂わせて、ラーメンが来た。

 ・・・あ、あれ??少なくね??

 

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  直径は普通のラーメン鉢くらいなんですが、お洒落に中心に盛る容器になっているので実質ラーメンが入っているのはこれくらい。

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  そこに向かってぐんぐんえぐってくる!

 そりゃないよ、とま子ちゃん。

 

 こんな展開を想定していなかったのでちょっとゲンナリしてしまった・・・

 ごはんとセットありき、なのです。

 訪問される方はご注意ください。

 

 で、ごはんは一緒に出てこない。

 替え玉と同じ感じで、自身が納得いくタイミングで声をかけてね、ってことなんかな?そのあたりの説明はなく、ラーメンだけが置いて行かれて「あれ?ごはんのことちゃんと注文通ってるんかな?」と心配にもなったけれどホールは女の子が一人でてんやわんやだったので声をかけ辛く、「まぁオーダー通ってなかったらそれでいいや」と低めのテンションで食べ始めてみる。

 

 細麺なので、なるべく少量ずつ箸に取り、口に運ぶ回数を増やすことで「脳内満腹感」を増す行為にでる。

 

 【ラーメン、うまい】

  食べはじめたラーメンは美味しかった。

 昔食べたものは「どうもー、とまとですー」といった感じで「トマト×ラーメン、斬新でしょ」を誇示するぜ、といった主張が強すぎたのだが、ここは絶妙な味わいのスープだった。

 その理由は一口食べてすぐわかった。

 酸味がないこと & ・・・ガーリックが良く効いていらっしゃる・・・

 

 「とまと」というヘルシーな素材に目をとらわれすぎて勝手に「自然な素材にこだわった優しいスープ」を想定してしまっていたので、ガーリックでパンチを出してくる、なんてオプションがあるとは予想もしていなかった。

 営業たるもの、平日はにんにくを避けることを意識しなければならんのに。

 ということで、この日は「どうせブレスケアとかじゃどうにもならんやろ」と思い、この経緯をネタにしながら人に会うことになった。

 営業マンは要注意です。

 

  【かえめし】

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 はじめての訪問時は、まずはお店のお勧め通りに食べてみるのが、安全だ。

 それによるとスープは1/3~1/4ほど残した段階で次のステップへいかないといけない。

 

 

 あのボリュームなので食べ始めて一瞬でその場面にたどり着いてしまった。

 「さぁ、店員さんに声をかけてみようか。もしオーダー通ってなかったらこれ食べて一貫楼に豚まん食べにいこ。もう口の匂いは取返しつかへんし」などと考えながら顔をあげたらば・・・

 

 そこにはホールの女の子がごはんを持って「どうぞ」と言ってくる姿が。

 

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 びっくりした。

 一流ホテルの対応バリにお客さんの食べ具合をしっかり見ていたんだろうか。

 心を読めるエスパーなんだろうか。

 ただ、店のスキームとして、一定の時間をあけた段階で運ぶようになっているのか、本当はラーメンと一緒にくるはずがキッチンが回っていなくて遅くなっただけなのか。

 

 全然真実は見えてこないが、あまりにジャストな感じで感動した。

 

 【投入】

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 私のスープを残す量が多かったのか、べちゃべちゃで全然リゾット感は出せなかった。

 けれど、麺の少なさに「ごはんを食べているのにおなかが空いてきた」という不思議な状況になっていた私のおなかを満たしてくれる力はもっていた。

 

 

 「とまと好き」には酸味がなくて物足りないだろうし「ラーメンはおなかいっぱいになるもの」と思っている人には物足りないと思う。

 けれど「ちょっとかわったものを食べてみたい」+「少量で大丈夫」という人はスープはおいしかったので是非訪問してみてほしいなーと思うのでした。

 

  食べログ

https://tabelog.com/hyogo/A2801/A280101/28037919/

 

取材依頼、撮影依頼、ご意見等、下記よりお問い合わせお待ちしております。 

www.hyogonohanashi.com

 

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